勝手に研究企画~ブラムハウス・プロダクションズ~
今回は「世界最強の映画プロデューサー」「新世代のロジャー・コーマン」ことアメリカの映画プロデューサー、ジェイソン・ブラムが率いる「超ハイクオリティのトロマ・エンターテインメント」ことブラムハウス・プロダクションズのこれまでの興収を見ていきましょう。
ブラムハウス・プロダクションズはアメリカの映画製作会社で、低予算でありながら超高品質のホラー映画やスリラー映画を生み出すことで有名です。
代表作は本年度のアカデミー賞脚本賞を受賞した「ゲット・アウト」や「ラ・ラ・ランド」でお馴染みデイミアン・チャゼルの出世作「セッション(原題:Whiplash)」、M・ナイト・シャマランの復活作「スプリット」、ギネス記録保持中のスーパー低予算&大ヒット映画「パラノーマル・アクティビティ」などです。
あと「パージ」とか「インシディアス」とかも作っています。
とにかくこのブラムハウスの何が凄まじいかというと、その「投下資本利益率の高さ」なのです。
「投下資本利益率」とは「映画製作にかけたコストに対して獲得した利益の割合」です。この比率が高いということは要は「普通の映画ビジネスとして信じられないほどのめちゃくちゃな利益を稼いでいる」ということです。
データが取れる範囲で算出したブラムハウスのこれまでの諸々の合計データが以下になります。
※元データはこちら↓
あくまでも推定なのですが、その利益率は392%という驚異の数値になります。
単純に考えると仮に100万円をブラムハウスの映画一本に出資したら、それが492万円になって返ってくるという計算になります。
ただ色々調べるとジェイソン・ブラムを始めとして監督や出演者は最初のギャラはほとんどないに等しいらしく、興行収入が入ってきてからそれぞれに分配するといういわゆる「成果報酬制」みたいな感じらしいので、超高品質な映画をとりあえずは低予算に抑えられるようです。
そしてブラムハウスが利益を出せる大きな理由のもう一つに大手映画会社のユニバーサルの配給網を使えることが挙げられます。
普通の低予算映画であればよほどのクオリティを持った作品でない限りワーナーやユニバーサルのような大手の強力な配給網を使って「全国で大々的に公開」なんてことは難しいのです。
この配給の部分が映画製作の割とネックな部分と思われます。つまりいくら良い映画を作ってもそれを流通させて消費者に届ける手段を持たなければ売上は挙がらないのです。
しかしブラムハウスは「パラノーマルアクティビティ」に始まり昨今の「ゲット・アウト」に至るまでの大成功の実績があるのでユニバーサルの配給網を使って全国で大々的に公開出来るのです。
ちなみに管理人はブラムハウスの作品は「セッション」と「ゲット・アウト」しか見ることが出来ないでいます。なぜならホラー映画は非常に苦手だからです。
「なぜ、お金を払ってわざわざ心臓に負担をかけることをしなければならないんだ?」と常日頃考えているほどホラー映画が苦手です。(2回目)
ですが「セッション」と「ゲット・アウト」は本当に面白かったです。「セッション」はデイミアン・チャゼルお得意の「溜めて溜めてからの強烈なラストスパート」に完全にやられましたし、「ゲット・アウト」は脚本が本当によく出来ていて、伏線回収のお手本のような映画だと思いました。
ちなみにマイケル・ベイ監督作「トランスフォーマー」の1作目の製作費は、「セッション」と「ゲット・アウト」の2作品の製作費を合わせた金額の約18倍です!すげえ!(ちなみに「トランスフォーマー」のコメディパートはとても好き。)
現在もブラムハウスは「Truth or Dare」というこれまた低予算(3.3億円)のホラー映画を公開していますが、公開から10日にして既にリクープ済みとのことです。
これからもとどまることを知らないと思われるブラムハウスの勢いを(ホラーは除いて)見守っていきたいと思う次第です。